定例雑談会 2025/02/12

ディスカッション

お世話になっている担当さんと今日から定期的に対話をすることになった。レーベルでの漫画掲載・連載のためのアイデア出しのためのものだ。
そこで話した内容や話すためにインプットした作品や考えたことなどをアーカイブし、担当さんと共有するためにこのサイトを作成した。NOTEなどのSNSに依存するといつ消滅するかも分からないので自分でサーバーを用意した。今後インプットしたものについてやそれらを見つめて出てきた考えや思いなどをここに書き残していけたらと思う。

早速だが今日話した内容についてまとめていくことにする。

BLがアツい

今私が一番お熱になっているのはBLだ。趣味の範囲で版権ものの二次創作をしている。その作品もキャラも推しカプの関係性も同じカプを推す同士との交流もふくめて今の私にとっての癒しになっている。

私は確か11歳くらいからBLを好むようになった記憶がある。まだ小学生だった頃。おかげで周りの子よりもかなりの性知識が豊富になってしまい当時から拗らせていた。はじめに好きになったのは某忍者漫画のサスナルというカップリングだ。11の女の子が同い年くらいの男の子のBLを好んでいたのはまあ割と健全だったかもしれない。
それから順調に腐女子として成長を遂げてゆく私だったが、17くらいの時に一旦BLを読まなくなる。
理由は2つある。ひとつは美大受験の実技試験に備えた本格的な美術の教育を受けるようになったこと。美術教育ではイラストの文化を毛嫌いする傾向があったため自ずと距離ができ、オタクを見下す思想さえ芽生えていた。
もうひとつは人生で初めての彼氏ができたことだ。初めて男性と性的に関わる機会を得た私は、それまでBLを読んで得てきた男性に対する性欲を彼氏で満たす事となり、BLを読む必要性が私の中で消えた。当時の私は性欲の捌け口としてBLを好んでいたのだ。

そして今またBLを嗜むようになった。しかし今と15年前の私とは全く違う理由で嗜んでいる。今の私は創作されたキャラクターの人間性やキャラ同士の関係性の奇妙さ、美しさに心を打たれている。いわゆるカプ厨である。関係性から見出せるテーマは何かを考察(妄想)するのが好きだ。

なぜBLか。性愛をリアルに捉える必要がないからだ。異性同士だとお互いの関係性に性愛がどうしても絡んでくるものが多くなってしまいノイズになる。それをとっぱらった深い関係性が見たくて同性同士のそれを見ている。推しがゲイだったらというifに萌えているのではない。彼らのスキンシップはあくまで関係性の象徴として捉えており、人間の一つの関係性のあり方を俯瞰して眺めることができるBLが好きなのだ。
(そういえば自分は象徴主義が大好きだった。BLのことシンボルだと思っていたのか私は)

百合は何故かピンとこない

では女性同士はいかがか。実はあまり百合は読まない。何故か。上記を踏まえて考えてみると、私が女性というのもありリアリティを感じてしまうからである。
ちなみに私は女性のことも性的に好む志向を持っている。いわゆるバイセクシャル(パンセクシャル)である。ゆえ、女性同士の絡みがより深刻にリアリティを帯びてしまう。俯瞰して見つめることが難しい。そしてリアリティに心打たれるタイプではないので、百合は読まない。
なお、象徴的な関係性を持つカップリングだとおそらく好きになる。特に母×娘などが好きだ。

女性視点の漫画を見てみたい

そう担当さんは言ってくれたのが妙に心に残っている。何故なら今まで私は女性視点の漫画よりも男性視点の漫画を多く描いてきたから、そう言ってもらえたのが新鮮に思えたのだ。
実は前から考えてはいた。女性視点の漫画、百合漫画の制作を。しかし、己の女性らしい部分は、実はけっこう閉ざされている禁忌領域なのではないかと感じる。女性らしい自分を想像すると吐き気がする。私は中性的に振る舞っているのが一番落ち着く。女性らしさが嫌いなのではない。ただ己における女性性が好ましくないだけで、女性らしさ全開の人はむしろ強かで尊敬さえしている。憧れはしないが。

好みの女

好みの女性について考える。まず思い浮かぶのは『攻殻機動隊』の草薙素子。そして一時期ガチファンだった『ムーミン』のおしゃまさん。2人とも自立していてクールでかっこいい。こういう女性になりたいという憧れがある。
担当さんにそう言ったら「ガワだけ女の男ですね」と言われた。実は私はヘテロなのかもしれない。

好みの男

これは今回の会話の中では語っていなかったがついでに記載しておこうと思う。例えば『ゴールデンカムイ』の菊田おじさんがかなりドンピシャで好きだ。ああいう渋いおじさんが好きだ。普通に結婚してほしい。
男性だと3次元の方が思い浮かぶ人物が多い。俳優の浅野忠信氏はとても好き。ミテクレも中身もかっこいい。あとはプロ雀士の鈴木たろう氏も好き。声も見た目も好みだが、一見難解な打ち筋が見ていて楽しい。2人ともよく女性にモテており飄々としているイメージだ。たらしというやつだろうか。確かに私の描く漫画にはよく無責任な愛あるたらしおじさんが出てくる。大好きだから。

ハピエンは欺瞞かつ傲慢だ

話は急に変わる。新作の拙作について話していた時のトピックスだ。今回描いたのは学生同士の受験と恋愛の話で、最後は結ばれもせず受験も失敗してビターエンドで終わる。感想コメントを読んで驚愕だった。コメントを残してくれた人のほとんどがハッピーエンドの続編を望んでいたのだ!私はもうこの2人の話はこれ以上ないだろうと思っているのに。みんなはヒエンが好きなんだなと思った。クソ喰らえだ。ここで見出しの言葉を見てほしい。ハピエンは欺瞞かつ傲慢な脚本だと私は思っている。キャラにとってふさわしいエンドを迎えるのが一番好ましいと考えるのは私も読者も同じだと思うが、そのエンドはもちろん幸せなものではない可能性もある。ハッピーとされる出来事をハッピーと捉えているのは一体誰なのか考えてほしい。それはキャラを外側からのぞいている読者と作者である。つまりハッピーエンドとはこのエンドがこのキャラたちにとって幸せだろうと外側の人間が押し付けている考えとも言える。ここに私は人間の傲慢さを見てしまい、ハピエンを好きになれない。同じ理由で純愛イチャラブも好きになれない。愛は思い込みに過ぎないと思っているためだ。

脱恋愛ものを試みたい

今回話した内容は主に男女と恋愛に絡むものが多かった。これも私が今まで恋愛ものの漫画ばかり描いてきたからだ。しかし今はけっこううんざりしている。できれば恋愛と遠いテーマの漫画を描いてみたい。

会話中に紹介いただいた作品一覧

鍵がない - 伊藤拓登 / 【コミックDAYS読み切り】鍵がない | コミックDAYS
【モーニング&イブニング月例賞2022年3月期】佳作受賞作品
スクエアノット - ヨシダ。 / 【コミックDAYS読み切り】スクエアノット | コミックDAYS
【アフタヌーン四季賞2023冬 四季大賞】家がお隣同士のリツとサトルは幼いころから仲良し。高校卒業後も一緒に地元を離れ、東京に行くことを約束していた。ある日、リツがサトルの家にいくと進路希望調査票を見つける。そこには地元で就職を希望する旨が...
Child's Room - 夕海 / Child's Room | くらげバンチ
伊織と太朗と安奈は幼なじみ。幼い頃から伊織のワンルームマンションを秘密基地にして遊んでいた。だが高校生になって、3人の関係性にも変化が訪れて――。
まつりのあと - もぐこん / まつりのあと | くらげバンチ
人を殴ったことなんて一度もなかったのに…。お祭りの日に周平くんを殴ってから10年、どうしても部屋から出られない。【著者初の作品集『推しの肌が荒れた〜もぐこん作品集〜』好評発売中】
美しいもの・美しいもの
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